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【弁護士監修】遺言に自分の名前の記載がない場合の最低限請求できる権利

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弁護士 古閑 孝 アドニス法律事務所

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更新日:2019年05月13日
遺言に自分の名前の記載がない場合の最低限請求できる権利のアイキャッチ

問題点

親が亡くなった場合に、遺言があり、その中に自分の名前がない!といった質問は遺産相続においてよく発生する問題です。
遺言の有効性ももちろん問題にはなりますが、最低限、その遺言が有効となってしまったような場合でも遺留分減殺請求権(いりゅうぶんげんさいせいきゅうけん)が相続人には担保されています。

遺留分とは

遺留分については、民法1028条に規定があります。
「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。」

つまりは、兄弟姉妹以外の相続人、具体的には配偶者、親、子ということになりますが、であれば、遺言で相続できないとしても最低限相続分として請求できる割合が定められているということです。遺産は家族が扶養しあい、共同で形成した側面もあることからこういった規定がされています。

遺留分の割合

遺留分が具体的にどのように定められているのかというと、これも1028条に規定があります。

具体的には

一.直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二.前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一

と規定されています。
つまり(そもそもの基礎となる財産が基本的に2分の1と定められているので)、基本的には各相続人の法定相続分(900条)の2分の1が、基本的な遺留分となります。

具体的な遺留分請求について

1042条は

「減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。」

と規定しています。
時効が1年、除斥期間が10年、と基本的に相続の発生から10年間で管理は消滅してしまいます。

時効による財産の分配の早期確定の要請から、このように規定されているといえます。
そのため、遺留分については早め早めに請求しておくべきでしょう。

そして、遺留分減殺請求は、意思表示を明確にすればよく、要式行為ではないので、特に書面などを提出する必要はありません(立証の観点からはもちろん、提出すべきですが。)。
その相手は、相続により財産を得る人、具体的には受遺者や受贈者、受益者、その包括承継人です(悪意の転得者もその相手に含まれます。)。遺言執行者、という可能性もあります。
基本的には相続は話合い、行っても調停で解決すべきですが、最終的には訴訟という可能性もあります。
早めに弁護士に相談し、対策を早めに寝るべきでしょう。

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古閑 孝 (弁護士)アドニス法律事務所

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